韓国の基本情報 韓国情報広場

位置
韓国は北緯33-43度、東経124-132度の間にあり、アジア大陸の北東部に位置しています。標準時正午線は135度で世界標準時より9時間早く、日本との時差はありません。
総面積は222,135km2で、イギリス、ニュージーランド、ルーマニアとほぼ同じくらいの広さですが、このうち南韓(韓国)99,461km2(45%)で、北韓(北朝鮮)122,762km2(55%)となっています。山岳地帯は国土の70%を占め北部と東部に密集し、平野は主に西部と南部に広がっており、三方の海には3400ほどの島があります。
国旗・国花・国歌

国旗
韓国の国旗の模様は東洋哲学の陰陽原理を象徴しています。中央に、「宇宙最高の原理」を意味する「太極」を円で示しています。青と赤は陰陽、さらに火と木、男と女、動と静などを表し、融合と調和を象徴するものです。また、四隅にある卦の左上( )は天、右下( )は地、左下( )は日()、右上( )は月()で、対立と均衡を表現しています。

国花
韓国の国花である無窮花(あるいは木槿)は、散って咲き、また散っては咲く生命力の強さを、韓国人の歴史と性格に例えることが多く、7月から10月に華麗な花を咲かせます。日本ではムクゲと呼ばれています。

韓国の国歌
韓国の国歌の名称は「愛国歌(エグッカ)」と言います。これには「国を愛する歌」という意味がありますが、最初から現在広く歌われているこの愛国歌が歌われていたわけではありません。
最初韓国の国歌は、独立新聞(1896年創刊の韓国最初の民間新聞)によって1896年にいろいろな歌詞が作られていました。しかしこの時期にこの愛国歌がどのように歌われていたのかについては正確に分かっていません。ただ現在残っている記録によれば、大韓帝国(1897-1910)時代に軍隊でバンドが結成され、そこで「大韓帝国愛国歌」という1902年に作曲された曲が演奏されたとあります。この「大韓帝国愛国歌」は国の重要な行事において演奏されていました。
最初の愛国歌の歌詞は1907年頃に国民の愛国心を育み、外国による国権略奪の脅威に直面した国家として独立精神を育てるために使われました。この歌詞は現在に至るまで何度も変わったという経緯があります。そして1948年大韓民国が誕生する前までこの歌詞は作曲家・安益泰(アン・イクテ 1905-1965)が歌った“Auld Lang Syne”というスコットランド民謡に合わせて歌われていました。しかし安益泰は、他の国の民謡に愛国的な内容の歌詞を付けて歌うのはふさわしくないと、1935年に新しい歌詞と曲を作りました。この曲はその当時亡命中であった臨時政府によりその公式愛国歌として採択されました。しかし在外韓国人がこの新しい愛国歌を歌う間、国民は大韓民国が1945年に解放される前まではずっと“Auld Lang Syne”の曲を愛国歌として歌ってきました。
1948
年大韓民国政府は公式に大韓民国臨時政府が新しく作った愛国歌を国家として採択し、すべての学校や公共機関で歌われるようになりました。

言葉

ハングルとは?

「ハングル」とは韓国語の文字のこと。「ハン」は “大いなる” 、「グル」は “文字” という意味です。韓国語は「ハングゴ」、または「ハングンマル」と呼ばれ、韓国の人々の間では “私たちの言葉” という意味で「ウリマル」とも呼ばれています。
このハングルは1443年朝鮮王朝時代、世宗(セジョン)大王のもと学者たちが集まって作ったもの。それまで漢字が使われていましたが一般層まで浸透するのは難しく、誰でも簡単に使える文字を作ろうという目的で、1446年『訓民正音(フンミンジョンウム)』という書により公布されました。このように作った人物や作られた時期、その目的が明確な文字は世界3000に及ぶ言語の中でも非常にまれに見る特徴です。このハングルは母音と子音を組み合わせて音を表す大変体系的なもの。子音は発音器官を模しておりまた母音は空「・」、地「?」、人「?」を象徴しているという点で独創性に溢れた文字で、非常にシンプルな形であることから学びやすい文字だと言われています。
ハングルは始め28文字作られましたが、現在では10の基本母音と14の基本子音、またこれから派生した複合母音や子音などがあり、これらを「子音+母音」、「子音+母音+子音」などと組み合わせて表記します。ユネスコは1997年、国際諮問委員会第3次会議において『訓民正音』を世界記録遺産に指定し世宗大王の功績を称えるとともに、識字率を上げるために貢献した人々に与える賞の名前を「世宗大王識字賞(King SejongLiteracy Prize)」とし、毎年109日に授与式を行っています。
宗教

仏教
仏教は2世紀(A.D.372)、高句麗の小獣林王(ソスリムワン)の時に伝来し、その後百済、新羅に様々な影響を及ぼしました。その中でも文化、特に建築物や彫刻、絵画、工芸品などに色濃く見られますが、ユネスコの世界文化遺産に指定された仏国寺(プルグクサ)と石屈庵(ソックラム)は、新羅を代表する芸術作品として世界的に知られています。

キリスト教とカトリック
キリスト教は1882年アメリカと就航条約を結んだ後伝播しました。始めは朝鮮社会の基本的価値観に対置するため信徒達が迫害を受けましたが、教徒たちは日本に対抗し反植民地運動に積極的な参与を見せたり、教育の機会を促進させたりしたため、段々と受け入れられるようになっていきました。現在では韓国国民全体の約25%がキリスト教徒だと言われ、海外での伝導活動も積極的に行っています。
一方カトリックは西洋学問として受け入れられました。朝鮮から派遣された明国への使臣がカトリック教教理書に関心を持ち、1784年北京で初めて洗礼を受け帰国し、礼拝堂が建てられました。相当な迫害に遭ったにもかかわらず多くの人たちがカトリックを受け入れ、現在では200万人以上の信者を持つ宗教となりました。

儒教
儒教は基本的に仁の重要性を説き、古代韓国社会の共有思想となっていましが、次第に韓国人の精神と交じり合い変化しながら現代の韓国人の生活にも大きな影響を及ぼしています。
儒教は韓国の倫理体系、生活様式、国家法に必要不可欠な要素です。朝鮮時代の主要思想であった儒教は実用的学問である実学に引き継がれました。そして韓国人の意識に深く根を下ろし、今日まで持続する儀式(宗廟祭礼や択奠大祭)など、多くの儀礼からもその影響を見ることができます。

シャーマニズム
韓国にはシャーマニズムが古代から民間信仰として深く根付いており、豊作祈願や雨乞いなど人々の生活に深い関わりを持ってきました。
韓国のシャーマニズムはムーダン(巫堂)を仲介して問題を解決しようとするところにその特性があります。この特性はシャーマニズムの儀式であるクッ(巫祭)に如実に表れており、今でも全国各地に残っている様々な形態のクッから見ることができます。

クッは巫女が霊魂に歌か踊りとともに供物を捧げ、人間世界の幸運を祈る儀式を意味する。
暮らし

民族
アルタイ山脈一帯に住んでいた部族が数千年前に東方に移動を始め、そのうちのツングース族が韓半島に定着して韓民族になったと考えられています。
人口は約4600万人(200011月)、そのうち約4分の1が首都であるソウルに集中しています。

政治
大統領を元首とする立憲民主共和制で、三権分立制度を採用、国会は一院制です。

経済
1970年以降、韓国は「漢江の奇跡」と呼ばれる目を見張る経済成長を成し遂げました。特に電気製品、半導体、造船などは世界的な水準で、製造業のみならず各種サービスや知識産業でも高いレベルを誇っています。

教育
水準の高い教育が普及しており、日本と同じ6334制です。全体的に教育熱心で、大学入試は日本以上の厳しさです。
最近では正規教育だけでなく、未就学児のための早期教育や塾や習い事などが活発になり、生涯学習である平生教育という教育システムも定着しています。

宗教
宗教は憲法によってその自由が保障されていて国教は定められていません。現在当局に登録されている宗教団体は300以上。土俗信仰から仏教、儒教が伝統的な宗教として継承され、18世紀にはキリスト教が入ってきました。このうち仏教徒儒教は三国時代以降の韓国の政治、経済、社会、文化などに大きな影響を及ぼしました。比較的遅くに入ってきたキリスト教は20世紀以降次第に勢力を拡大し、現在は信徒数と社会的な影響力の面で伝統宗教と肩を並べるほどになっています。またプロテスタントとカトリックは韓国近代社会の思想と精神文化を形成する重要な社会勢力となっています。

家庭生活
韓国は昔乳児の死亡率が高く、大家族をよしとする考え方もあるため、子孫を多く持つことを良しとし、34世代が同じ場所に暮らすことがほとんどでした。
しかし1960年から70年代にかけて行われた急激な近代産業化と都市化などにより、核家族化も進み、80年代には一家族の出生数は2人以下となりました。しかし現在でも先祖代々の家系を継ぐという儒教の伝統的な考え方は根強く残っているため、長男を重要視する傾向にあります。

姓名
日本同様、姓が前、名前が後に来ます。300余りの姓があるうち、多いのは金(キム)、李(イ)、朴(パク)、趙(チョ)、姜(カン)、崔(チェ)、鄭(チョン)、尹(ユン)、張(チャン)、林(イム)、韓(ハン)、呉(オ)、申(シン)などで、女性は結婚後も姓が変わりません。また本貫という姓の発祥地を大切にしています。